楽屋的日常

5/7(火)。

 北への歩き旅を再開すべく、電車を乗り継いでまず能代入り。駅前の酒場「千両」に友人と合流して、しばし飲み語らう。2度目の千両は、相変わらず居心地抜群の素晴らしい酒場だった。さくら刺やつくねなどで、おそらく三冷のホッピーを数杯飲む。五能線に乗り、秋田県最北の駅である岩館まで。「民宿いがわ」の女将さんがわざわざ車で迎えに来てくれて、ひと晩素泊まりでお世話になる。朝も出発が早く、本当に寝るだけの逗留で申し訳なかったが、きれいで快適な宿屋だった。


5/8(木)。

 岩館から深浦まで歩く。朝7時に歩き始めて、約15分ほどで青森県入り。秋田県八峰町から、青森県深浦町へ。深浦町は、わたしのひいき力士、安美錦のふるさとであり、少し感慨深い。ときどき小道に外れながら、国道101号を北上する。

曇り空で風もあり、海はかなりしけているが、エメラルドグリーンで美しい。

昼食に寄った食堂「静観荘網元」のおまかせ定食がすごかった。1000円ぽっきりで、刺身に揚げ物、煮魚などなど盛りだくさんのおかずに、ご飯とみそ汁はおかわり自由。つい食べ過ぎてしまい、苦しくなる。

岩崎地区から101号線を外れ、峠道である県道192号線へ。だらだらと長い坂が続くこの山道がつらかった。ぜえぜえ息を切らせながら歩く。

 峠を越えると、今まで苦労してきて良かったと思えるほどの快適な下り。約9kmの峠道の先に、深浦町の中心街が現れる。深浦駅を目指して港町を歩いていると、「太宰の宿・ふかうら文学館」という建物。16時閉館とあるので今入るしかないと思い、靴を脱いで入館。元は秋田屋旅館という宿屋で、太宰治が小説「津軽」の取材旅行の途中に泊まったらしい。太宰の泊まった部屋がそのまま残されていた。秋田屋の主人が偶然にも太宰のお兄さんの同級生で、ふらりと秋田屋に泊まりに来た太宰に気付いて、これはこれはと手厚くもてなしたという。太宰と深浦のかかわりを少し知ることができた。16時ころ、深浦駅でゴール。休憩なども含めた所要時間:約9時間。歩行距離:34.5km。今年も無事に歩き旅が再開できてほっとする。

 少し道をもどり、1泊夕食でお願いしていた田中旅館。海の見える部屋で、旅館にはめずらしく椅子と机がある。熱い風呂に入って癒されて、部屋で夕日を見ながらの夕食。食後は外にくり出さず、おとなしく健全な時間に床に就く。

5/9(木)。

朝、深浦→東能代→秋田と電車を乗り継いで、象潟を目指す。海岸線を走る五能線の窓から見える景色が素晴らしい。前日は途中から峠道にはずれたので、この海岸線を見るのは初めてだった。こちら側にもゆっくり来てみたい。

 象潟で途中下車をして、「その食堂」で昼食。極太平打ち麺ということで初めて行ってみる。肉タンメン800円。やわらかく焼かれた肉とフェットチーネのような黄色い太麺がうまい。人の絶えない人気店でも殺伐とした空気のいっさいない雰囲気で居心地もいい。また行きたい店。

 年配のご夫婦が切り盛りする小さな食堂。象潟駅から歩いてすぐのところにあるので、途中下車で寄れるのもありがたい。

 夜、魚武のジャンボさんが数日前に亡くなったことを知る。半年前にお店を閉めて治療に専念していたジャンボさんだったが、残念ながら回復することはなかった。キスの梅肉揚げ、煮込み、クワイチップ、天ぷら。ジャンボさんの料理にどれほど癒されたことだろう。一見無愛想に見えて、実はおしゃべりが大好きだったジャンボさん。魚武定休日の月曜の夜たまに楽屋に飲みに来て、釣りや料理の話をたくさん聞かせてくれた。あのおしゃべりがもう聴けないと思うと、とても寂しい。


5/12(日)。

 楽屋生音日曜版で、村上個人囃子こと菅原さんのアルトサックス演奏。毎奇数月の第2日曜、定期的に演奏しに来ていただいており、日曜版参加者の中でも古参となりつつある菅原さん。奇想天外の選曲と独特のダジャレで、毎回ほのぼのした時間を演出してくれている。

5/14(火)。

 米国のギタリスト、ジョシュア・ブレイクストーンさんが楽屋初来演。ベースの文河潤さんとドラムスの本間克範さんに共演をお願いし、ふたつ返事で引き受けていただいた。米国のジャズ界で活躍してきた大御所の来演というのは、初めてのこと。緊張しながらライブ当日を待ったが、村上に着いたジョシュアさんは物腰柔らかな紳士で、京都みやげのろくでなしTシャツをいただいて感激する。京都と縁があったジョシュアさんは、数年前から京都に住んでいるという。今回は東京でのライブから村上に入り、2日後に札幌に向かうとのこと。楽屋のような小さな店に来てもらえて、本当にありがたいことだ。


  初めて会った人と、その2時間後にライブをするというのは、ジャズならではのすごさだと思う。文河さんと本間さんはよく知った仲であるが、ジョシュアさんとおふたりはもちろん初対面。今回のライブは、ジョシュアさんが選曲し、その求めに応じて文河さんと本間さんが演奏した。リハの際にはいくらかの緊張感があったが、さすが文河さん本間さんである。英語でジョシュアさんの要求を理解していく。約1時間足らずの音合わせが終わり、開場。そして始まったライブ。1曲目は、パット・マルティーノの「Lean Years」。だと思う。すごい。極々上質のハードバップジャズが目の前で繰り広げられた。


 MCで語られた、米国の50年代のジャズ事情がおもしろかった。50年代活躍したピアニスト、エルモ・ホープは、セロニアス・モンクとソニー・クラークと仲が良かったらしい。日本ではモンクとクラークが人気ピアニストとなり、ホープはそれほどでもなかった。しかしジョシュアさんいわく、ホープはとても素晴らしいコンポーザーだったとのこと。彼の曲から「Mo Is On」がアンコールで演奏され、この曲が素晴らしかった。エルモ・ホープのアルバムはブルーノート5000番台で1枚あったなと思い、久しぶりに引っ張り出してみると、恥ずかしいかな、1曲目が「Mo Is On」だった。それ以降、この盤をはじめ、しばらく聴いていなかった50年代の10インチを聴いている。やはりこの時代のジャズはいい。目覚めさせてくれたジョシュアさんに感謝。


 ミュージシャンお三方と残った有志で軽く打ち上げをする。村上どころか新潟県に初めて来るジョシュアさんに、大洋酒造の「日本国」を飲んでもらったが、これをえらく気に入ってくれて、ボトルの写真まで撮っていたのがうれしかった。


 また機会があれば、ぜひこのトリオで楽屋ライブを実現したいと思う。

5/19(日)。
 歌とギターのデュオ、ユリコさん&マコトさんのタイムによる楽屋生音日曜版。おふたりには今回初めて日曜版で演奏していただいた。中島みゆきやさだまさしの曲を、しっとりと、かつ冷やかに歌い上げるユリコさん。「死ぬまであなたを恨みます」と言うフレーズは、お客さんを存分に戦慄させたと思われる。その歌のあとで、その恨みは愛情の裏返しではないかと笑顔で説くユリコさんが素敵だった。今回は伴奏に徹していたマコトさんであるが、もっとマコトさんのギターが前面に出た曲も聴いてみたいと、勝手ながら思った。次回のタイムの演奏も楽しみ。

5/1(水)。

 翌週水曜日と入れ替えて臨時営業。夜遅く、元村上駅長の平原さんが久しぶりに寄ってくれる。天皇交代イベントに参加されたとのことで、はっぴ姿がお似合いだった。もう十何年も前に村上駅長だった平原さんは、今でも村上と関わりを持ってボランティアに従事されているとのこと。彼ほど村上の人たちと近しくなった駅長はいないと思う。2003年に駅前のみこし祭りを立ち上げる際、わたしもとてもお世話になった。平原さんの尽力と助言がなければ、駅前であの祭りは決してできなかった。今では毎年春の恒例になっているSLの往来も、彼がアイディアを出してJRとかけ合って実現した。話がおもしろく、この夜もおしゃぎりを東京駅まで持って行った苦労話などを聴かせてくれた。初めて楽屋に来られた夜の、「村上には蕎麦とジャズがないと思ってたけど、ジャズがあってほっとした」と言われたセリフが今ではとても懐かしい。


5/3(金)。

 鶴岡アートフォーラムにて、「ウィリアム・モリス展」を観る。1800年代後半に活躍したイギリスのデザイナーで、わたしはまったく知らなかった。マルクス主義者でもあり、労働者の生活にも芸術が必要と考えて、政治団体を作って活動もしたという。残念ながら、彼のデザインはわたしにはあまりピンと来なかった。展覧会を観る前、「ケンちゃんラーメン大山支店」に立ち寄ったが、このケンちゃんがすごかった。今まで食べた6軒のケンちゃんの中で、もっとも幅の広いピロピロ極太ちぢれ麺。スープはやはりキリッとしょっぱいしょうゆ味。チャーシューもしっとりと柔らかくうまい。素晴らしきオーケン。連休中の昼とあってか、たくさんの家族連れでにぎわっていた。子どもからお年寄りまで、老若男女から愛される庄内の人気ラーメン、ケンちゃん。10店舗あるケンちゃんでこの大山支店が村上から一番近いので、ぜひまた行きたいと思う。

 久しぶりに寄ってくれたシュウちゃんと談笑していると、旅らしき若者がおひとりでご来店。人なつこいシュウちゃんが一緒に飲もうと誘うと、秋田からの旅人だった。聞くと、浅川マキが好きで、ホームページを見て楽屋に来たと言う。しかも、村上の前日には浅川マキのふるさとである石川県の旧美川町まで行ってきたというから驚いた。これにとどまらず、学生時代は京都で過ごしてろくでなしにも行っていて、寅さんも大好きで全作観ているというので、あなたはわたしをどれだけ驚かせるのですかと問いたくなった。当然のように、浅川マキを何枚も聴き、あれこれ語らった。彼の浅川マキコレクションがおもしろく、1st「浅川マキの世界」と彼女の死後出された自主制作的なマニア盤「スキャンダル京大西部講堂1982」の2枚のみの所持だという。一番売れた有名盤と一番マニアックなCDという、何ともシュールな組み合わせに思わず笑ってしまった。秋田にも浅川マキのレコードを聴ける店があるらしいので、いつか訪ねてみたい。


5/4(土)。

 村上野道クラブの皆さんが村上から下関まで歩いたのち、はばきぬき(打ち上げ)に楽屋に寄ってくれる。この日は天気もよく、皆さんさぞ気持ちよく歩けたことだろう。村上からだと、約20kmの行程となる。15時に村上駅に着き、そこから楽屋でお疲れさまの宴となった。今回のおつまみは、中華風おひたし、打ち豆と切り昆布の煮もの、きゅうりの浅漬け、焼きそばなど。いつも利用してくださる野道クラブの皆さんに感謝。


5/5(日)。

 新発田のシンガーソングライターせいの正晃さんと、村上のギタリスト鈴木茂さんによる、楽屋生音日曜版ダブル。おふたりの集客力は素晴らしく、大入りとなって盛り上がった。自称前座という茂さんからの演奏で、この日初めて茂さんが歌うのを聴いた。と思う。選曲が相変わらず渋く、「エリーゼのために」を交えた「テイク・ファイブ」がおもしろい。茂さんに続いて、せいのさんのオリジナル曲に場内がさらに沸く。ビールを数杯飲んで準備万端のせいのさんのノリも実によく、お客さんとのコール・アンド・レスポンスもばっちり。わたしのお気に入り「冬に立つばあちゃん」も聴くことができてうれしかった。翌月曜日もまだ休みとあって、皆さん演奏後も残って大いに飲み語らっていた。ありがたい子どもの日の夜。

5/6(月)。

 黄金週間最終日。今年の連休はいつも以上ににぎやかだったように思う。さすがに最終日はいつも静かになる。ひっそりした夜、いつものように浅川マキを聴く。

4/28(日)。
昼、「しおやでジャズ」を聴きに行く。塩谷のマルマス蔵で去年初めて開催されたジャズライブで、今年は去年以上の大盛況だった。醤油を作っていた蔵でのライブも珍しいが、雰囲気も居心地もいい。ここでビールでも飲みながら聴けたらどんなにいいだろうかと思う。まず敬和学園大学のビッグバンド「Jazz Quest」による演奏があり、続いて名古屋より来演の高島田孝之クインテットという、去年と同じ組み合わせ。この2組が昨年同様素晴らしい演奏を披露して、百数十人はいたと思われる観客を大いに楽しませた。去年とちがう点と言えば、去年がピアノの高島田さんとベースの古川真帆さんというデュオだったのに対して、今年は高島田さん真帆さんに加え、テナーサックスの平林可蓮さん、トロンボーンの松末千佳さん、ドラムスの妹尾(せお)武さん、という豪勢な5重奏だったこと。このクインテットが素晴らしかった。やはりわたしには真帆さんのベースが一番の聴きどころ。今年もブンブンうなるベースランニングを楽しませてくれた。前半最後に、マッコイ・タイナーの「Fly With The Wind」が飛び出したのにはびっくり。高島田さんはマッコイがお好きとのことで、会場で買った3枚目のアルバムにも、マッコイの曲が2曲(Passion DanceとFly With The Wind)が入っていてうれしかった。6月8日(土)には、高島田さんとテナーの可蓮さんがデュオで楽屋ライブに来てくれる。これまた実に楽しみ。

4/29(月)。
千葉から友人夫婦が来訪。夕食に皆で料理を作り合って楽しんだ。リョウくんが作ってくれた中華風のおひたしが実にうまい。「白灼菜心báizhuó càixīn」と言う広東料理で、日本語にすれば「湯通しした菜っ葉」という感じだろうか。この時期村上に出回っている菜っ葉、カワナガレをさっとゆでて皿に盛りつけ、ショウガと多めの油を熱して砂糖と醤油で味付けしたタレをかけるだけで、見事に大陸の味になるから不思議だ。

5/1(水)。
朝、遠藤ミチロウさんの訃報。昨年11月、ミチロウさん本人がすい臓がんを公表して以来、ライブ活動の再開は正直言ってむずかしいかもしれないと思っていたが、夏に手術もして、自宅療養されているとのことだったので、今後は無理せずゆっくり静かな生活を送ってもらえたらと思いながらも、この知らせを聞くのがずっと怖かった。

昨年の暮れ、村上の鮭料理が好きだったミチロウさんに塩引きや昆布巻きを送ると、すぐに「美味しくいただきます!いろいろご心配おかけします。闘病頑張って復活します。また楽屋で歌いたいです」という力強いメールをいただいた。わたしは勝手ながら、これは具合がいいのかもしれないと少しほっとしたのだったが、結局そのやりとりが最後となってしまった。

2010年10月7日、ミチロウさんは初めて村上にやって来た。出迎えた村上駅の改札でのミチロウさんの笑顔と、そのときの極度の緊張は、今でも鮮明に覚えている。それから楽屋で一服しながら、いろいろなことを話した時間は、感動的ですらあった。スターリンのボーカリストとはあまりにもイメージがちがいすぎて、何だか奇妙な感覚になりながら、ミチロウさんがおだやかに語る学生時代の話に聴き惚れた。その夜、ミチロウさんは激烈なライブを楽屋で繰り広げた。あのときほど観客が熱狂し、わたしが熱狂したライブというのは、おそらく後にも先にもないかもしれない。

2010年の初来演以来、2011年10月、2012年11月のクリームライブ、2013年11月、2017年には4月と12月の2回、そして昨年6月と、病と闘いながらも村上に足を運んでくれたミチロウさん。演奏もさることながら、ミチロウさんの最大の魅力は、あの人柄と語り口にあったと思う。また会いたかった。もっと話を聴きたかった。
4/16(火)。

ミシェル・ンデゲオチェロのライブを聴くべく、大阪へ出かける。昼、新潟からピーチ航空の飛行機に乗り、55分で関西空港着。初めてのピーチはなかなか快適だった。「皆さん今日はほんまおおきに」という機内アナウンスはなかなか斬新なご愛嬌。往復で約10000円は、東京に出かけるより安い。関西がぐっと近くなった気がした。


ライブ前に梅田食堂街にある「串かつ百百(もも)」で軽く飲食し、会場である「ビルボードライブ大阪」へ。幸いにも最前列に座ることができて、ごくごく間近で4人の演奏を楽しめた。メンバーは、ミシェル・ンデゲオチェロ(ベース&ボーカル)、クリス・ブルース(ギター)、ジェビン・ブルーニ(キーボード)、エイブラハム・ラウンズ(ドラムス)の4人。最新作「ベントリロキズムVentriloquism(腹話術)」の録音メンバーがそのままやってきた。1曲目に、ニーナ・シモンのトリビュート盤から「悲しき願い」。初めて観るミシェルのベースを弾き語る姿に、ただただ感動。やはりミシェルのベースと歌声がとくに素晴らしい。もっともっと聴きたかったが、完全入れ替え制ということで、1セットのみでの退場となる。アンコールもなく、やや不完全燃焼だったが、またぜひ聴きに来たいと思えるライブだった。こういう場合は、2セット目を観た方がもっと楽しめるのかもしれない。

ライブ後、梅田からなんばへ移動して、学生時代の旧友サラマッポと会い、「世界の山ちゃん」、ジャズバー「Bird/56」とハシゴして飲み語らい、最後は天下一品の天王寺店でしめ。2度目のバード56は、やはり居心地の良い空間だった。おそらく何十年もまったく変わらないスタイルでやり続けていると思う。京都のろくでなしに通じるところがある。初めて行く天王寺店も濃度充分でなかなか良かった。

4/17(水)。

朝、宿の近くの新世界かいわいを散歩。交差点で信号待ちをしていると、横から「今日は暑くなるらしいなあ。東京から来たん?」と初老男性に話しかけられる。大阪らしい。新世界はど派手な店が多くてややたじろぐ。おそらく通天閣を見るのは初めてのこと。今回はライブ目的のみで時間があまりなかったが、裏路地には地味でよさそうな店もいろいろあるので、このあたりでもゆっくり飲んでみたいと思う。南海電車で関西空港に行き、昼の飛行機で新潟へもどる。

午後、村上に帰ってくると、村上病院前の桜がそろそろ満開になっていた。

4/19(金)。

ありがたいことににぎやかな夜。お客さんの「枯葉」のリクエストで、ウィントン・ケリーのバージョンをかける。ただ、かなりにぎやかだったので、おそらくあまりよく聞こえなかったと思われる。こういうことはたまにあるが、にぎやかさを上回るくらいにボリュームを上げるわけにもいかず、なかなかに歯がゆい。


真夜中の帰り道、村上病院を通ると、月と雲がいい具合に演出してくれて、桜が引き立って見えた。
4/20(土)。
TReS(トレス)の楽屋ライブ。早坂紗知(アルトサックス・ソプラノサックス)、永田利樹(ベース)、Rio(バリトンサックス)という編成の親子トリオで、毎年この時期に楽屋にも寄っていただいている。今年もまた迫力満点の素晴らしい演奏を繰り広げてくれた。ほとんどオリジナルの曲で、これほど盛り上がるライブというのも珍しいと思う。わたしはとくに、紗知さんのアルトの音が非常に気に入っている。今年もその素敵な音色に聴き惚れた。
4/21(日)。
楽屋生音日曜版で、佐藤三良さんのウクレレ弾き語り。隔月で定期的に演奏していただいている三良さんだが、この日は後半で浅川マキの曲を3曲披露してくれた。「赤い橋」、「少年」、「港の彼岸花」という絶妙な選曲。お客さんが少なかったので、わたしもじっくり聴くことができた。アンコールに、高田渡の「うおつりブルース」。この曲に「フィッシン・オン・サンデー」という別タイトルがあったとは知らなかった。まさに、日曜版にぴったりの曲。
4/9(火)。
TJOY万代にて、「麻雀放浪記2020」を観る。「麻雀放浪記」に対する冒とくと言っていいと思う。

夜、古町UFO。ラム酒を飲みながら、パティ・スミス、リチャード・ヘルなどを聴く。

UFO後、日清カップヌードルの新作「蘭州牛肉麺」を食べる。香菜(シャンツァイ)が効いていて、まさに異国の味。生の香菜をのせて食べるとさらにうまいはず。中国の西部、甘粛省蘭州市で生まれ、今や中国全土でポピュラーとなった蘭州牛肉麺。留学していたころ、香菜の苦手な日本人がけっこういて、みな屋台などで「不要香菜Búyào xiāngcài(香菜いらない)」と言っていたのが懐かしい。それほど思い入れはなかったが、こうして日本でなかなかうまい再現版を食べてみると、あらためて中国で食べたくなる。
4/10(水)。
午前、TJOY万代にて、「未知との遭遇」を初めて観る。1977年公開の、実にスケールの大きな映画だったが、わたしはやはりSFがあまり好きではないのかもしれない。「午前十時の映画祭」という年間を通しての特別企画で、今回初めて観てみた。名作と言われる作品が、1〜2週間ごとに毎日10時から1100円で観ることができる。観たことのない映画を観る良い機会なので、ちょくちょく出かけたいと思う。
4/12(金)。
今まで見たこともなかったリキュール、アクアビットとドランブイを仕入れる。アクアビットはノルウェー産で、ドランブイはスコットランド産。このふたつを合わせると、「ゴールドラッシュ」というカクテルができる。近々メニューを一新して、カクテルのラインナップも少し改変する予定。

夜、大入りとなる。ありがたい限り。
4/13(土)。
前日とは打って変わって、とても静かな夜。夜もふけたころ、セイさんケンさんと、ロック談義。クラッシュのロンドンコーリングや、シーナ&ロケッツのレモンティーなどを聴いて盛り上がる。ケンさんは学生時代、学祭でシーナ&ロケッツのライブを開催したという。すごい。
4/14(日)。
昼、住んでいる町内の総会に参加。紛糾することなく実にスムーズにすすみ、飯野桜ヶ丘は平和で住み良い町内であると再認識する。参加者に配られた酒田やのお菓子がうまい。

夕方、まだ早い時間に旅帰りのお客さんがご来店。家に帰る前に少し飲みたくなったとのこと。旅の話を聞くのはやはり楽しい。コーヒーとお酒をひとつずつ飲んで帰られた。
4/15(月)。
不思議といつも思い出す、金日成の誕生日。留学時代一緒に卓球などを楽しんだ北朝鮮留学生を思うが、かの国の民主化は、まだまだ遠そうだ。

同級生がココアを飲みに来てくれる。同じクラスにはなっていないので、同窓生というべきか。同じ学校に通っていたころは一切話したことがなかったが、何十年も経てこうして話せるのがうれしい。起業して人を雇い、社長としてがんばっている彼に、いい刺激をもらう。
4/4(木)。
ラーメンをこよなく愛するアータさんがワータさんとご来店。沖縄に行ってきたお土産にと泡盛をいただき、皆さんで泡盛の宴となる。そこへ、アータさんのバンドメンバーであるタケさんご来店。てっきり待ち合わせていたものと思ったら、偶然のことだった。盛り上がっていると、旅の方がおひとりでご来店。最近村上幸子のファンになったという若い方で、わざわざ群馬からいらしたらしい。くしくもワータさんが村上幸子と同じ集落ということで、さらに盛り上がる。偶然の重なった何とも濃密な夜だった。アータさん、お土産ありがとうございました。
4/5(金)。
にぎやかでありがたい花金。落ち着いたころ、セイさんイツヨさんとゆっくり話す。この日のセイさんの持ち寄り盤は、The Felice Brothers。フェリス・ブラザーズ。初めて聞くバンド。聴いてみると、ゆるやかなカントリー調の曲が気持ちいい。セイさん、いつもご紹介ありがとうございます。
4/6(土)。
早い時間から浅川マキのリクエストがあり、うれしくなる。1st「浅川マキの世界」。そのあと、CCRをかけていると、同級生が来て、しばらくすると、もうひとり同級生。そのふたりは数年前の同窓会以来の再会だった。いつもわたし好みの音楽を紹介してくれる同級生が、今回はクイーンのCDを持ってきてくれた。ライブエイドの翌年の音源となる、86年の英国ウェンブリーでのライブ盤。わたしが今さらながらクイーンを聴くようになったと知って、持ってきてくれたのだった。今回の「ボヘミアン・ラプソディー」によるブームに沸くずっと前からクイーンが好きだった彼いわく、数年前にわたしとクイーンの話をしたことがあって、わたしはクイーンを馬鹿にしていたらしい。決して馬鹿にしていたつもりはないが、そう聞こえていたのならクイーンの4人に申し訳ない限り。さっそくそのCDをかけると、音が生々しくて、とてもいい。KG、ありがとう。
静かな土曜日の夜と思いきや、 村上トライアスロンクラブの皆さんのご来店をたまわり、たちまち貸切状態となる。感謝感激。BGMは、エルビス・プレスリー。数ヶ月前に「ユーアイ代行」という運転代行が村上にできたことを初めて知る。アスリートの皆さん、ありがとうございました。
4/7(日)。
村上ボッサクラブとピノコことハヤブサくんの楽屋生音日曜版ダブル。ハヤブサくんのオケをバックにしたサックスにはじまり、村上ボッサクラブ、そこにハヤブサくんが加わった4人での演奏と、盛りだくさんの1時間となる。

3/30(土)。

夕方、製麺。いまだに苦手としているうどんを打つ。うどん用の中力粉「麺丿鄙歌(めんのひなうた)」を加水率45%でこねて踏んで数時間寝かせて、小野式2.2mmで切り出す。味は悪くないが、想像したうどんとはまだまだ程遠い。2.2mmの切り刃には麺帯をもっと厚くしなければならないのかもしれない。

今年度最後の土曜日、静かになると思いきや、わりとにぎやかになり、ありがたい夜だった。セイさんより日野康一のカンフー大全集を差し入れあり。1980年代初めに出された、ブルース・リーやジャッキー・チェンの写真が満載の貴重な資料にしばし見惚れる。夜中にタッキーくんご来店。セイさんタッキーくんとともに音楽談義に花が咲く。


3/31(日)。

昼、村上野道クラブのはばきぬき(打ち上げ)。3月恒例の「サクラマスウォーク」で、三面川沿いを約25km歩いてこられた健脚の皆さんが楽屋で大いに飲み語らった。サクラマスが三面川を遡上するように、三面川河口から旧朝日村岩崩の縄文の里まで歩くという粋な歩き旅。今回のはばきぬきには11名の方に参加いただいたが、さらにたくさんの方が歩いたと思われる。当日は朝から雨に見舞われ、さぞ歩きにくかったことと思うが、皆さん何の疲れもない表情で村上駅前にバスで降り立った。給仕をしながら楽しそうな会話が聞こえてくる中で、どなたかが発した「20km以上歩かないと身体は喜ばないと思うんですよ」というお言葉に、野道クラブの真髄を見た思い。この日のおつまみは、レンコンのきんぴら、豆サラダ、ナムル、麻婆キャベツ、餃子など。いつも歩いた後のはばきぬきに楽屋を利用していただく野道クラブの皆さんに感謝。


4/1(月)。

エイプリル・フール。楽屋では誰もうそをつかなかった。と思う。


4/2(火)。

製麺。去年より冷凍ストックしてある天下一品再現スープを使い、久しぶりに天下一品風を作る。麺は、準強力粉「荒武者」で加水率35%、卵なし。小野式2.2mmで切り出したが、これがなかなかうまい麺に仕上がった。チャーシューもメンマも上出来。ただ、スープはまだ改良の余地、多々あり。

夜、「Lock Stock & Two Smoking Barrels」のDVDを観る。1998年公開のイギリス映画。何と言っても劇中に流れる音楽がかっこいい。さらっと観るにはわかりにくいところもあるが、話の持って行き方がおもしろかった。役者がみな英国人だけあって、イギリス語が心地いい。和牛の水田に少し似ているマヌケな役柄の俳優が気になった。

観終わったあと、むらさき。遅かったからかすでに誰もおらず、お母さんとふたりで小一時間あれこれおしゃべりをする。切り昆布の炒め煮と、西洋ワサビのすりおろしののった青菜のおひたしをあてに、燗酒を少し飲む。

3/26(火)。
夜、万代シネウィンドにて、「バスキア、10代最後のとき」を観る。70年代末から80年代にかけてニューヨークで活躍したアーチスト、ジャン=ミシェル・バスキアがどんな人物だったのか、彼と関わった人たちによって語られるドキュメンタリー。パンフレットには、「没後30年の今、ダ・ヴィンチ、ピカソに続いてアート史を飾るバスキア」とあるが、恥ずかしながらまったく聞いたことのないアーチストだった。1960年生まれのバスキアは、27歳の若さで亡くなってしまう。けっこう破天荒だったようだが、風貌はどこかあどけなく、優しい雰囲気のある男前。生きていれば今年59歳。さらに大成した彼の作品を観てみたかった。
映画後、ややおそい時間に、古町「赤たぬき」〜「UFO」というハシゴ酒。赤たぬきは、新潟市内にいくつか店舗を構えるグループの系列の大衆酒場だが、安くてうまい、使い勝手の良い新潟の良店。そら豆や煮込みをつまみながら、ホッピーを飲む。少し酔ってUFOへ。久しぶりのUFOで飲むラム酒がうまい。マスターに「幾何学模様」という日本のバンドを教えてもらう。プログレのような感じもする、何やら不思議な音楽。帰りしなに聴かせてもらったXTCの「ネオン・シャッフル」があまりにかっこよくて、まいった
3/27(水)。
午前、シネウィンドにて韓国映画「金子文子と朴烈(かねこふみことパクヨル)」を観る。関東大震災が起きた大正の混乱期に、日本人の朝鮮人に対する抑圧にあらがい続けた金子文子と朴烈というアナキスト夫婦の、史実に基づいた劇映画。バスキア同様、この2人のこともわたしはいっさい知らなかった。過激なアナキズムにはとうてい賛同しかねるが、この夫婦の信念と愛情は、うらやましさを感じるくらい強烈だ。この映画はあくまでこの夫婦のみに焦点をあてているが、同時期に日本に殺されている大杉栄などとの関係がどうだったのか、とても気になる。
夜、細野晴臣の新作「HOCHONO HOUSE」が届く。細野晴臣デビュー50周年を記念して、さまざまな催しや作品が企画されているが、その一環のリメイク・アルバム。1973年のソロデビューアルバム「HOSONO HOUSE」の曲々を、歌はもちろん、全楽器を細野晴臣自身が担当して録音しなおしたという。すごい。ずっと探している「HOSONO HOUSE」を仕入れる前に、リメイク盤の「HOCHONO HOUSE」を買うというのも、かなり気が引けたが、「いつまでもあると思うな 親と金とレコード」という金言にのっとって、予約注文した。さっそく聴いてみると、何とも気持ちのいい音。これは何としてもオリジナル盤の「HOSONO HOUSE」も手に入れねばならない。
2/2(土)。
午後、情報センター2階会議室にて、「憲法について考えよう〜私たちの生活と憲法」と銘打った会に参加する。講師は新潟の弁護士、小淵真理子さん。とてもわかりやすいお話で勉強になった。憲法とは、天皇、国会議員、公務員、裁判官などの権力者が守るべきものであって、国民は憲法によって守られるもの。「オリとライオン」という昨年出された絵本を使っての説明がわかりやすい。いろいろな動物の中で、ライオンが強くて頼りになるから、まとめ役になってもらおうとなったが、強いがために暴れ出したら誰にも止められない。ライオンが暴れないようにオリの中に入ってもらおう。この場合の、ライオンが国家権力で、オリが憲法。憲法を変えようとしている安部首相は、このオリから出たがるライオンのようだ。
2/3(日)。
Riekoさんの楽屋生音日曜版。何ヶ月かに一度、楽屋でライブを企画してくださるRiekoさんだが、日曜版での演奏は久しぶりのことだった。ミュージシャンりえこさんファンが集まってくれて、にぎやかな夜となる。今回はいつもの中島みゆき以外の曲をとのことだったが、りえこさんの歌声には相変わらず癒される。アンコールがかかり、急きょシリースナフキンmasaさんのギターで、中島みゆきの「誕生」。素晴らしいデュエットだった。
2/4(月)。
所用ができ、新潟へ出かける。石丸電気があった店舗に入ったマニア向けの書店メロンブックスにて、取り寄せておいた「趣味の製麺08」を購入。小野式2型の特集記事。わたしの持っている1型に比べて大きく、一度に切り出せる麺の量がかなり多い。大人数分の麺を作る際に重宝しそうだが、まだまだ製麺ビギナーの分際でふたつ目の製麺機など手が出せるはずもない。余計なことは考えず、1型で納得のいく麺をしっかり作りたい。
帰りしな、新潟駅南口のローソンにて天下一品とヤマヨシの合作ポテトチップスを買う。コンソメ味の美味しいポテトチップスだが、残念ながら天一感は皆無だった。新潟小新店がなくなってから、しばらく天一を食べていない。20代のころの中毒症状はさすがにやわらいでいるが、たまにとても恋しくなる。最寄りの天一が今や仙台となってしまったので、時間を見つけてまた自作に挑戦したいと思う。
2/5(火)。
ご予約をいただき、楽屋貸切営業。6人さんご来店で、白和え、のりキャベツ、煮もの、飯ずし、家常豆腐、和えそばなどを用意する。年に数回こうして集まって下さる皆さんに感謝。中国で結婚した夫婦のお祝いも兼ねていて、小さなたまご型の機械に日本語⇔中国語の通訳をしてもらいながら、中国から来た新婦さんとの会話に花を咲かせていた。たまご通訳の能力はかなりのもので、ドラえもんの世界がまた近づいたような気がする。トウマくんシンさん、おめでとうございます。生活開心、百年好合。

2/6(水)。
久しぶりに、おでん処るりこ。おでんや塩引き鮭の薄切り、煮込みなどで、紫雲を冷やで数杯飲む。グラスと受け皿がいい。うまくて安く、もっと寄りたい店。むらさきにハシゴし、お母さんと飯ずし談義。今年は2回作ったが、麹の甘さが足りない出来となった。漬け込む前にはべちゃべちゃにできたにもかかわらず、麹の米粒感が残っていて、お母さんいわく「麹がモキモキて」。あらためて麹と米の合わせ方のむずかしさを感じる。今年の年末はお母さんの漬け込むところを見学させていただこうと思う。
2/8(金)。
にぎやかな夜。ずっと紹介したいと思っていたプログレ好きのお2人が、ようやく楽屋で顔を合わせる。楽屋を開いてよかったと久しぶりに思えたひと時。

2/9(土)。
夕食にパンを焼く。バーガー状のパンにして、サバサンドとマルシンハンバーガー。サバはやはり美味い魚だとつくづく思う。
1/27(日)。
大相撲初場所、千秋楽。関脇玉鷲が人気者遠藤をあっさりしりぞけて13勝2敗とし、34歳にして初優勝を飾る。37歳で優勝した旭天鵬に次ぐ高齢の初優勝となった。優勝インタビューで、この日ちょうどふたりめの子どもが産まれたということがインタビュアーから明かされて、場内がどよめき、わたしも思わずおーと声をあげてしまう。やさしい人柄のにじみ出た、感動的なインタビューだった。あまり目立たない存在だったが、上位に定着していて強い印象はあった。ケガの少ない強靭な身体で、ぜひ大関を狙ってほしい。

同じ関脇の貴景勝も最後まで優勝争いにからむ活躍をしたが、最後の最後で豪栄道に完敗し、来場所の大関昇進は見送りとなる。一方で、実際の大関陣のふがいなさと言ったらなかった。栃ノ心は初日から4連敗して休場。高安と豪栄道は、ともに9勝6敗。大関の不名誉な称号、「クンロク大関」の典型。大関だけではなく、横綱の結果もさんたんたるものだった。稀勢の里は引退。鶴竜は早々に休場。10連勝して波に乗ったかに思えた白鵬は、11日目からまさかの3連敗を喫し、たった2日を残して休場。みなケガを抱えているとは言え、ここまで横綱大関陣が総崩れの場所というのも珍しいと思う。

力士にとって、ケガは本当に怖いと思う。横綱になった途端にケガに襲われ、横綱らしい相撲が一切取れないまま引退した稀勢の里には、気の毒の一言しかない。一気に大関まで駆け上がり、横綱昇進もまちがいないと思われた照ノ富士も、ケガをおして無理して出場し続けたばかりに足のケガを悪化させてしまい、今場所は三段目まで番付を下げて療養を余儀なくされている。今場所はとくにケガ人が続出する異常な場所だったが、わたしには宇良のケガがとてもショックだった。5場所も休んでひざの大けがをしっかり治して、三段目まで下げた番付をようやく幕下の23枚目まで戻してきたというのに、今場所また同じところを痛めてしまい、今後の力士人生が本当にわからなくなった。実に魅力のある力士だっただけに、とても悔しい。
ピノコことハヤブサくんが楽屋生音日曜版、初登場。1月4日の伴田裕カルテットに1曲セッションで参加したので、実際には楽屋での演奏は2回目となる。「ハーレム・ノクターン」にはじまり、「枯葉」、「イパネマの娘」、「ウォーターメロン・マン」などなど、スタンダード曲を聴かせてくれた。カラオケに合わせての演奏がどうも馴染めないが、これから楽しみなサックス奏者が現れてくれたことはうれしい限り。ぜひサックス・ソロや人とのセッションもお願いしたいと思う。演奏後カウンターにて、ドラマー、ベーシスト、ギタリスト、そしてサックスのハヤブサくんと、ミュージシャン同士があれこれ盛り上がる。セッションの実現がとても楽しみだ。
1/28(月)。
久しぶりにパンの朝食。食パンを焼いてアボカドをぬって塩をふりかけて食べる。アボカドはこの食べ方が一番うまいと思う。
1/29(火)。
翌日の水曜日に臨時休業するため、臨時営業する。臨時にもかかわらず、数名のお客さんに来店いただき、ありがたかった。
1/30(水)。
扇屋旅館にて、又上新年会に参加する。年末のパートタイマーであるわたしまで毎回誘っていただき感謝。従業員の皆さんと楽しく飲み語らいながら、冷えたお酒とごちそうをいただく。数人ではまなすへはしご酒。お母さんのこしらえたタラコとしらたきの和えものがうまかった。3回目のはまなすにして、壁にかけられた絵に初めて気づく。キング・クリムゾンのジャケットを手がけるパメラ・クルックをほうふつとさせる、お幕場の絵。また観に行きたい。ヒロシさん、たいへんご馳走さまでした。

1/19(土)。

昼、新潟に出る。12時から新潟ジャズストリートの会場を回り、都合6組の演奏を楽しんだ。2003年から始まったジャズストリートも、早いもので今回で33回目を数える。ほとんどどこの会場も大入りで、ハシゴの仕方がなかなかむずかしい。会場に着くのが遅れたのとすでに満席だったため、ふた会場で予定を変更したが、聴いた6つの会場では席にすわって快適に聴くことができた。


①Out To Lunch! (一番堀・音楽文化会館練習室12)

ソプラノ・サックスとフルートを吹くデイビット・テイシェイラさんとドラマーの櫻井國栄さんのデュオ。エリック・ドルフィーのアルバム名から取ったと思われるユニット名なので、ドルフィーの曲などをやるのかと思ったら、何とジョン・コルトレーンの「インターステラー・スペース」の再現をするという。渋谷のジャズ喫茶「きゅりお」で聴いて気に入った、コルトレーンとラシッド・アリ(ds)のデュオ作品である。アルバムの通り、「Mars(火星)」「Venus(金星)」「Jupiter(木星)」「Saturn(土星)」と演奏。極端なフリーではなく、ソプラノとドラム、フルートとドラムの掛け合いがとてもよかった。ただ、どれほど再現されていたのかはわからない。楽屋で改めて聴いてみることにする。

 ②Cross Talk(本町・Café Eigetudou)

楽屋でも演奏していただいている、ちはるさんのピアノと水橋さんのアルトサックスのデュオ。このおふたりの演奏は、いつ聴いてもとてもいい。今回は初めてオリジナルを4曲も聴くことができた。ちはるさんのオリジナルが「ほたる」と「Morning Mist」、水橋さんのオリジナルが「Go Back」と「Overture」のそれぞれ2曲。とくに「Go Back」がかっこいい。クロストークを聴く楽しみのひとつであるスタンダードでは、「ワルツ・フォー・デビー」が素晴らしかった。ピアノとサックスのデュオでの演奏なんて、初めて聴いた。最近本町に移転したCafe Eigetudouも興味深い店だった。普段はポルトガル料理が食べられる小さなレストラン。グラスに瓶を逆さまにつっこんで、ぐるぐる回しながら注ぐというマスターの演出が楽しい、Coralというポルトガルのビールがうまかった。そのうち料理を食べに行ってみたい。

③早川善栄トリオ(上大川前通・ブルーカフェ)

ギター、ベース、ドラムスという編成のこのトリオも、ジャズストリートでは毎回聴きたくなる。今回はギター早川さんのオリジナルよりもスタンダードの方が多めだった。「Blue Bossa」と「You And The Night And The Music(あなたと夜と音楽と)」がよかった。 スタンダードになるのかわからないが、コルトレーンの「Impressions」が飛び出したのには驚いた。開場のブルーカフェも、とても居心地のいい喫茶店。ハートランドの小瓶をひとつ飲む。

④じゃんごっこ(川端町・Bar Edinburgh(ホテルオークラ))

ジプシージャズトリオ、SEBの水落さんと圓山さんのおふたりと、ベースの岡田さん、バイオリンの佐藤さんという4人編成のバンドである「じゃんごっこ」を初めて聴く。いつもは SEBのギター3つの演奏を聴いていたので、ベースとバイオリンが入る演奏が新鮮でとてもよかった。岡田さんのベースがぶんぶんとうなっていた。アンコールで演奏した「Minor Swing」が、やはりザ・ベスト・オブ・ジプシージャズ。以前満席で入れなかったバーエジンバラにも初めて入れてうれしかった。実にすわり心地のいい椅子で、ゆったり聴くことができた。

途中、東堀の焼鳥「みやこや」で一緒に回っていた友人たちとミニ宴会。チロリで供される燗酒を飲みながら、串焼きや生野菜など。いつの間にか改装されていて、東堀みやこやはとてもきれいになっていた。


⑤長沢好宏クインテットwith Noriko(東堀・Gioia Mia)

久しぶりに長沢さんのテナーを聴く。さすがは新潟ジャズ界の重鎮だけあって、安定感抜群の音色。ドラムスの本間克範さん、ギターのファビオボッタッツォさんの演奏を聴けたのもうれしかった。昨年の高田蓮ライブ以来に入るジョイアミーアだったが、この日も大入り超満員だった。ミックスナッツをつまみながら、ハイボールをふたつ飲む。

⑥村上ボッサクラブ(本町・Café Eigetudou)

Eigetudouにもどり、わたしの中でのメインイベント、村上ボッサクラブの演奏を聴く。佐久間純平(ギター)、東弘一(ベース)、佐藤和人(ドラムス)というお三方による村上のトリオ。新潟ジャズストリートでもすっかり常連となり、まったく落ち着いた演奏を聴かせてくれた。ついアンコールで「カーニバルの朝」をリクエストしてしまう。この演奏がまた実によかった。さくちゃん、東さん、茶さん、夜遅くの出演たいへんお疲れさまでした。


古町の「慶龍飯店」にて、餃子と焼きそばをいただき、カウンターのご常連と盛り上がる。注文を受けてから包んで焼く餃子がうまい。初めて食べた焼きそばも素晴らしかった。仲のいいご夫婦で長年切り盛りされていて、実に気持ちのいい店。古町の夜のしめは、慶龍飯店がいい。


1/20(日)。

全日本卓球選手権で、男子シングルスが水谷隼、女子シングルスは伊藤美誠がそれぞれ優勝を飾る。水谷に至っては実に10度目の優勝。伊藤美誠はダブルス、混合ダブルスも優勝しており、何と2年連続の3冠王となる。男子の優勝候補筆頭だった世界ランク3位の張本智和は、準決勝で大島祐哉にフルセットの末敗れ、3位に終わる。女子シングルス決勝で伊藤と対戦した木原美悠の卓球もすごかった。まだ14歳の中学生。また楽しみな選手が現れた。


1/22(火)。

夜、中条「ぼだいじゅ」の日本酒会に参加する。ぼだいじゅのご店主には楽屋に寄っていただいているが、わたしがぼだいじゅに行くのは初めてのこと。栃木のお酒を飲みながら、現在那須高原の今牧場でチーズ職人として活躍しているユウコウくんのチーズや、ぼだいじゅの美味しい料理をいただく。ユウコウくんがドイツへチーズ留学するため、アンニャの話を聞きに楽屋に来たのがもう16,7年も前のことになる。久しぶりに会うユウコウくんは、相変わらずの好青年だった。日本航空ファーストクラスの機内食に何度も採用されているという今牧場のチーズは、本当にうまい。うれしい再会につい飲みすぎてしまい、酔う。


1/23(水)。

昼、万代シネウィンドにて、アルゼンチン映画「家(うち)に帰ろう」を観る。ひとりの老人が戦時中の友人にスーツを手渡しに行くため、アルゼンチンからポーランドへ渡るロードムービー。ナチスの迫害を受けたユダヤ人である主人公のトラウマが強烈に表現されている。行く先々で出会う女性たちが実に素敵だった。久しぶりに少し泣く。


静かな夜。セイさんが2枚のCDを持ってきてくれる。Pavementペイブメントと言うアメリカのロックバンドの「Brighten The Corners」と、カナダのシンガーソングライターであるAllan Raymanの「Roadhouse 01」。どちらもわたしはまったく知らなかった。ペイブメントは、少しニルバーナを感じるシンプルなロック。とてもいい。アラン・レイマンは独特のボーカルで、音数が少なく落ち着いたヒップホップという感じ。こちらもまたいい。セイさん、いつもご紹介ありがとうございます。


1/25(金)。

静かな金曜の夜。雪が降っているから、と自分を納得させる。閉店後、自宅で少し飲む。友人が送ってくれた福岡の酒、「白糸(しらいと)」。新潟の酒とはまったくタイプのちがう、すっきりと飲みやすい酒。福岡が酒どころだということを改めて思い知らされる。

1/26(土)。

静かな土曜の夜。雪が降っているから、と自分を納得させる。雪のしんしんと降る中、モキチさんがひとりで寄ってくれて、しばし音楽談義。フリクションや3/3、山口富士夫さんの話など、興味深い話をあれこれ聴く。夜中、楽屋の窓から写真を撮って、そそくさと帰宅。

1/17(木)。
浅川マキがなくなって、9年が経った。彼女の歌を毎日のように聴いているが、1月17日は「この日に彼女が急死したんだ」という意識が働くためか、レコードを聴いていると、いつもより少し緊張するというか、何やらピシッとした気持ちになる。やはりわたしにとって特別な存在の人だ。

【この日の数枚】
スキャンダル京大西部講堂1982
Selected Album by MAKI
ライブ
灯ともし頃
裏窓
ちょっと長い関係のブルース
黒い空間
CAT NAP
アメリカの夜
Maki Asakawa