10月の楽屋と店主

10/8(月)。
新潟シティマラソン大会。たしか去年からだったか、制限時間が7時間とランナーにだいぶ優しくなり、うらやましい。制限時間5時間のころに何回か参加したが、結局1度も時間内にゴールすることはできなかった。途中でバスに乗せられたことが懐かしく思い出される。楽屋の常連さんも数人参加し、見事完走して、帰りに楽屋に寄ってくれる。長い距離を走り終えたあとの酒は、さぞかしうまかったことだろう。大変お疲れ様でした。

10/9(火)。

新潟。Carmen&Anjaと駅前「串カツ田中」。ホッピーと串カツに癒される。駅前楽天地「Bar Chetta」へハシゴ。村上出身の心優しいマスターがひとりで切り盛りする良店。洋酒の種類が豊富で、ここではいつもおいしい酒にありつける。タブレット端末より音楽がリクエストでき、3人であれこれ好きな曲をかけてもらう。

10/11(木)。
常連さんである院長ご一行。院長の置きレコードであるエルビス・プレスリーの古いベスト盤をかける。激しいロックではなく、しっとりとしたバラードが主なベスト盤。これがなかなか楽屋に合う。ペラジャケというのがまた何とも味わい深い。


10/13(土)。
高島田孝之トリオ、平林可蓮、大波よう子というメンバーによる初めての楽屋ライブ。ピアノの高島田さんはじめ、ベースの古川真帆さん、トロンボーンの松末千佳さん、テナーの平林さんは、名古屋から遠路はるばるやって来てくれた。大波よう子さんは、楽屋でも歌ってくれている新発田のベテランボーカリスト。女性4人、男性1人という、今までにはなかった編成に、実に華やかなライブになった。

わたしの好きなマッコイ・タイナーの「パッション・ダンス」が飛び出してびっくり。古川さんの力強いランニング・ベースに聴き惚れる。初めて聴く平林さんのテナーサックスと松末さんのトロンボーンも良い。よう子さんのボーカルがいつの間にかパワーアップしていたのにも驚いた。ジャズのスタンダードから「荒城の月」まで、いつも多彩な選曲で楽しませてくれる高島田さんのエンターテイメント性も素晴らしい。次回のライブがとても楽しみだ。

10/14(日)。

退職を機に村上にもどってきたという方が初めて楽屋にご来店。こんなところにこんな店があったとは知らなかったと驚かれていた。70年代フォークを聴きながら、その方とあれこれ話す。

退職後の暮らしを村上でと移り住んでくる、または退職後に故郷にもどってくるという方は、村上にけっこういらっしゃると思う。そうした方々をターゲットにすべきだと言われたことがある。ターゲットという表現はともかく、そうした方々がくつろげる場所にしたいとつねづね思っている。ありがたいことに、世代性別へだてなく老若男女に寄っていただいている楽屋だが、年配の方がふらりと寄ってくれると、何だかうれしい。たまに酩酊年配者に手を焼くこともあるが。


10/15(月)。

いつもは静かな月曜日に、団体のお客さんあり。ありがたい夜となる。突然の団体さんというのは、店をひとりでやっているわたしにとっては得てしてあたふたしがちだが、なじみの団体さんとなると、だいたい進む方向がわかるのでとてもやりやすい。この日の団体さんも、楽屋の勝手をよく知る皆さんなので、とてもスムーズに給仕をすることができた。と思う。


10/16(火)。

会津の諸橋近代美術館へ、パメラ・クルック展を観に出かける。クルックは、キング・クリムゾンなどのジャケットも手がける英国の画家。何と表現すればいいのかわからないが、何となくユーモラスで不思議な感じのする絵を描く。諸橋近代美術館の設立者、諸橋廷蔵がクルックの展覧会を観てその作品を気に入り、展示されていたすべての作品を購入したというからすごい。わざわざ出かけて行った甲斐のある展覧会だった。五色沼の近い山あいに突如として現れる、西洋の城のような諸橋近代美術館自体の存在感も強烈だった。サルバドール・ダリのコレクションでも知られているが、正直言ってダリの作品にはあまり魅力を感じなかった。ちょうど紅葉の時期かとも思ったが、紅い葉には少し早くて残念。

10/17(水)。
オークションで得たレコードが届く。
・Take Five/Carmen McRae with Dave Brubeck
・Forest Flower/Charles Lloyd
・Strictly Powell/Bud Powell
・Somethin’ Else/Cannonball Adderley(キング盤)
・Blue Train/John Coltrane(日本盤7インチ)
カーメン・マクレエの歌う「テイク・ファイブ」をようやく入手できた。素晴らしいライブ盤。その他、同じ出品者から出されていた廉価なレコードをついでに数枚落札する。ブルー・トレインはA面とB面それぞれ「パート1」と「パート2」にわかれているので、てっきり別テイクかと思ったら、何のことはない、定番のスタジオテイクが半分に切られて前半後半とで両面に入れられているだけのものだった。がっかり。
10/18(木)。
ホッピーのジョッキが届く。このジョッキを冷凍して、販売元であるホッピービバレッジの推奨する「三冷ホッピー」を楽屋でも提供する予定。三冷とは、ジョッキ、ホッピー、焼酎の3つとも冷えているということ。こうして飲むと、たしかに一段とうまい。
10/19(金)。
昼から岩船大祭に出かける。まず恩師のご実家にお邪魔して、美味しい酒肴をいただく。子持ちのハタハタと燗酒がうまい。頃合いを見て外に出て、恩師の解説を聞きながら、縦新町の通りで勇壮な帰り屋台を見る。上町と上浜町の激しいぶつかり合いは迫力満点だった。新潟からかけつけたアンニャと合流して、都合5軒のお宅にお邪魔する。行く先々で酒とご馳走をふるまっていただき、改めて岩船祭りのウェルカム精神を実感する。10年ほど前に初めて行った岩船祭りだが、今では10/19は楽屋を休ませてもらうほど、毎年の楽しみとなっている。
10/20(土)。
15時より村上野道クラブのはばきぬき(打ち上げ)。今回は山北の小俣を歩いてきたとのこと。いつも歩いたあとのはばきぬきで楽屋を利用してくれる皆さんに感謝。早い時間の臨時営業だと、そのお客さんたちしかいないので、通常メニューではない料理もいくつか提供できる。今回は、豆サラダ、白子のみそ漬け、いぶりがっこチーズ、麻婆豆腐、焼き餃子など。

夜、東京帰りのシゲルさんが寄ってくれる。上野の寄席、鈴本演芸場に日帰りで行ってきたとのこと。音楽だけでなく、落語にも詳しいシゲルさんの話を聞いていると、わたしも落語を観たくなる。とくにこの鈴本は酒やおつまみの持ち込みが自由ということで、みんな好き好きに飲みながら落語を楽しむというからそそられる。生の落語というのは、村上教育情報センターでしか観たことがない。ぜひ機会を作って寄席という場所に行ってみたい。
10/21(日)。
12月16日の楽屋生音日曜版に、がくや姫の演奏が決定。かぐや姫の曲を演奏するアコースティックバンド、がくや姫が楽屋で演奏する。おもしろい。
10/23(火)。
サラリーマン時代の元上司が遠路はるばる岡山からやってくるというので、楽屋臨時営業。取引先の方々と6人で来てくれて、ありがたい夜。楽屋を開く前に大阪と東京で暮らしたサラリーマン時代は、なかなか仕事には熱中できなかったが、おもしろい人間の豊富な会社だったので、楽しいことの多い時期だった。会社を辞めて村上にもどり、楽屋を開いてからもこうして元同僚が何人もわたしを訪ねて村上に遊びに来てくれるのは、本当にうれしいことだ。カリさん、今回もありがとうございました。またぜひいらしてください。
10/25(木)。
村上市民ふれあいセンターで、東京スカパラダイス・オーケストラのライブが開かれる。1000人収容のふれあいセンターで、チケットが即日完売のライブというのは今までにあったのだろうか。楽屋はまったくと言っていいほどそのライブの影響はなく、いたって普通の木曜日らしい静かな夜だった。それでもおひとり、ライブの後に寄ってくれたお客さんあり。聞くと、しょっぱなから観客は総立ちで、大盛り上がりだったとのこと。お好みの音楽はと聞くと、やはり「スカ」と言うので、純粋なスカではないが、花屋さんの置きレコードであるスペシャルズをかけると、喜んでくれたようだった。
10/27(土)。
村上高校の同窓会が汐美荘で開かれる。わたしも一応対象者ではあるが、今まで参加したことがない。やはり土曜日に参加するのはむずかしい。ふたつのグループに同窓会後立ち寄っていただいて、ありがたかった。
10/28(日)。
村上教育情報センターにて、初めて人形浄瑠璃を観る。県内の一座、「猿八座」の村上公演で、今年で7年目という。三味線を弾いて物語やセリフを語る「浄瑠璃」に合わせて、人の手で操られる人形が芝居をする「人形浄瑠璃」。演目は、近松門左衛門の書いた「平家女護島(へいけにょごのしま)」。セリフが昔の言葉なので、理解できるかちょっと心配だったが、開演前に主催者代表の田村さんからだいたいのあらすじの解説があり、おかげでそれほど苦労なく理解することができた。約1時間半にわたって、ひとりで三味線を弾き語った渡部八太夫さんが実に素晴らしかった。アンニャの元同僚であるフランス出身の逸見八里さんも座員であり、今回は憎まれ役の瀬尾を見事に演じていた。終演後に座長の西橋さんも解説していたように、女性である八里さんが、小憎らしい男である瀬尾を演じるという、年齢も性別も生まれた国も関係なく、どんな役でも演じることができるのが、人形浄瑠璃のおもしろいところ。来年の公演もぜひ観たい。
10/29(月)。
音楽好きのあやちゃんから、山菜おこわのうれしい差し入れあり。あれこれと話していて、酒の枡ふたつにiPhoneを入れて音楽を聴くといい音になる、ということを教えてもらう。実際に試してみると、これがたしかいい音に聞こえる。枡の中で音がまわるのか、何だか音がまとまってひとつの箱から聞こえてくる感じ。家でちょっと何か聴くときに使える裏ワザ。あやちゃん、いつもありがとうございます。
10/30(火)。
加藤八十助酒店のワイン会に参加する。今回はスパークリングワインの乾杯酒に始まり、赤ワイン3種を飲み比べるという趣旨。舌のこえていないわたしにはどれもとてもうまく、岩船駅前「柳庵」のケイタリング料理もうまくてボリュームがあり、大満足の夜となった。ワイン会後、カルメン・アンニャとむらさきで軽く二次会。初孫を冷やでふたつほど飲み、酩酊。

楽屋 GAKUYA

ジャズなどのレコードをまわしながら、 村上駅前でひっそりと営業してます。 席料なしの明朗会計。 夜中にコーヒー1杯でもお気軽にどうぞ。 Jazz, Blues, Soul, Bossa Nova, Folk, and Rock.