遠藤ミチロウ
かつて、日本にザ・スターリンというロックバンドがあった。1980年に遠藤ミチロウが中心となって結成され、きわめてスキャンダラスなパフォーマンスで知られたバンドだった。高校時代、友人が「TRASH」というインディーズ時代の1stアルバムを2万円で手に入れたというので、テープに録ってもらったのが、わたしがスターリンを聴いた一番最初だったと思う。そのときはあまりピンと来なかったが、大学に入り、同じ寮の友人サラマッポがこっそりスターリンを聴いているのを見つけ、わたしも改めて聴いてみたら、これが何とも奥深い音楽で、ストレートなパンク・ロックの曲調もさることながら、遠藤ミチロウの書く詞がとても知的でおもしろく、すっかりスターリン熱にかかってしまった。ある日、サラマッポとスターリンのコピーバンドをしないかという話になった。サラマッポがボーカル、わたしがドラムということになり、お互いクラスの友人を誘い、ギターとベースをお願いして、4人で「食物連鎖」というバンドを結成した。学園祭で催された小さなライブに参加、「先天性労働者」「爆裂ヘッド」「玉ネギ畑」「仰げば尊し」の4曲を披露した。即席我流で学んだわたしのドラムなど、それはそれはつたないものだったが、とても楽しかった。そんなわけで、学生時代の音楽遍歴の中で、スターリンは浅川マキと並んで非常に重要な存在となった。スターリンとしての活動は今はしていないようだが、遠藤ミチロウはアコースティックギターとともに全国のライブハウスを精力的にめぐり、ひとり弾き語っている。そのライブにひんぱんに出かけて行っているmikaさんとjunさんがライブ会場で遠藤ミチロウに楽屋を紹介してくれたところ、すぐに本人から電話がかかってきた。物腰のやわらかい紳士。心臓がドキドキしながら、10月7日、遠藤ミチロウ楽屋ライブ、決定。楽屋史上最大級のドキドキ。
0コメント