ニッポンの嘘
10/23(火)。小新ワーナーマイカルにて、「ニッポンの嘘」を観る。報道写真家、福島菊次郎の仕事を追ったドキュメンタリー。福島菊次郎という人のことは、今回の映画で初めて知った。今年で91歳。戦後の広島から、自衛隊、安保闘争、三里塚闘争、そして去年の福島と、なかなか一般のマスコミが報道しないような側面を、60年以上にもわたって写し出してきたつわものである。これまで撮ってきた日本は何だったのかと監督がたずねたところ、福島菊次郎は「ニッポンの嘘だ」と答えたという。公に報道されない部分に日本の嘘をたくさん見てきた福島菊次郎。彼の写真に写し出された人々の表情は、おそろしいくらいの迫力がある。暴漢に襲われ、家を焼かれながらも、自分の報道姿勢をいっさい変えない反骨精神がすさまじい。「表に出ないものをひっぱり出して、たたきつけてやりたい」ともの静かに語る姿に、真のジャーナリズム精神を見た思い。
10/24(水)。オークションで落札したレコードが届く。浅川マキ「灯ともし頃」、「男はつらいよ〜御存知名場面集」、頭脳警察「誕生」「仮面劇のヒーローを告訴しろ」の4枚。浅川マキの1作目から80年代初めまでの作品を激安で出品した人がいたので、すべてに入札を入れてみたが、結局落とせたのは「灯ともし頃」のみ。帯はないものの、まったくの美品で1700円はじゅうぶん安い。その人からのほかの出品も見てみたら、頭脳警察の4枚目と5枚目も安く出されていたので、これは何とか落としたいと額をわりと高めに設定して入札。5枚目の「仮面劇〜」はちょっと競争になって、2300円というそれなりの値で決着したが、4枚目の「誕生」は850円という衝撃価格での落札となる。久しぶりの幸運落札。あとは6枚目「悪たれ小僧」を入手すれば、頭脳警察第一期(1969〜1975)のオリジナルアルバムがそろうことになる。610円という格安で落とせた「男はつらいよ〜」もうれしい1枚だった。A面が第1作、B面が第6作からの名場面が選り抜きで収録されている。第1作「男はつらいよ」は、どこを切ってもほとんどが名場面と言えるような、作品をまるごと音盤化してもおかしくないほどの傑作だが、このA面にはそれぞれの名場面がじつにうまく選り抜かれていて驚いた。楽屋にいながらにして1作目が楽しめることになるのはうれしい限り。
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