三島由紀夫のことを初めてじっくり考える

6/2(土)。村上のベーシスト、海田さんがなくなった。大きくてかっこいい人だった。〆張鶴を飲みながら、フランク・シナトラをおさえ目のボリュームで聴くのが好きな人だった。浅川マキの歌をいやがる貴重なお客さんでもあった。酔っても普段と変わることはなく、常におだやかな酒飲みだった海田さん。わたしを「青山さん」と呼び、いつも紳士的でおっとりした口調で、東京で活躍していたころの話をいろいろ聞かせてくれた。海田さんのベースを一度も聴く機会がなかったことが、とても残念でならない。60歳の死は、早すぎる。6/3(日)。宮沢厚子さんの弾き語りによる日曜版。以前ベースの佐久間さんとデュオで演奏していただいたことがあったが、ソロでの弾き語りは初めて。シンプルなギター演奏で弾き語られるフォークソングがとてもいい。中でもわたしは、竹内まりやの「駅」とチャゲ&飛鳥の「万里の河」が気に入った。さだまさしや伊勢正三、松山千春などなど、選曲も実にしぶく、次回の出演も楽しみ。6/4(月)。毎月第一月曜日の定番となっているmieさんによる月曜版。今回も茂さんの伴奏とともに、浅川マキ70年代の代表曲を弾き語ってくれた。デュオでの「朝日のあたる家」がいい。「少年」「淋しさには名前がない」「別れ」「あの娘がくれたブルース」「トラブル・イン・マインド」「ちっちゃな時から」。mieさんならではの歌とギターをじっくり楽しんだ。そのときの模様を、茂さんがyoutubeにさっそく載せてくれたが、こちらもなかなかよかった。曲は「別れ」「あの娘がくれたブルース」「朝日のあたる家」の3曲。6/5(火)。シネウィンドにて、若松孝二「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」を観る。ドキュメンタリーではなく、実話に基づいて役者が演じる映画なので、あまり期待はしていなかったが、そんなことは忘れて引き込まれてしまう、強烈な映画だった。そこまで国を憂えていたのかと、三島由紀夫の本気というか気概というものが初めてわかったような気がする。是が非でも自衛隊を正式な国軍にしたいという野望には到底賛同しかねるものの、まさに命をかけて決起した彼らの信念の強さには発奮させられるものがある。三島に扮した井浦新の演技がよかった。鬼気迫る切腹のシーンでは血の気が引き、気が遠くなった。自決から5年が経った最後のシーンで、三島の妻瑤子(寺島しのぶ)がつぶやいた「あなたらしい幕引きだったわね・・・。何も変わってない」というセリフが興味深い。あぶらだこが歌うように、三島の切腹は勘違いだったのか。日本刀を愛し、武士道を重んじた三島なりの美学の遂行だったのか。映画館を出たあともしばらく具合が悪かったが、観てよかった。

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