魚武賛

6/15(土)。魚武が開店して20年。アンニャと夕方顔を出すと、ジャンボさんはいつもと同じように、店を開けていた。まるで20年経ったという感慨も何もないかのように。ドライなジャンボさんらしい、魚武の開店20周年記念日。雨が降ろうと雪が降ろうと毎朝バイクで仕入れに行き、昼のランチをやって、毎夕きっちり5時に店を開け、魚武のすべてをひとりで切り盛りしているジャンボさん。毎日毎日淡々と同じ仕事をこなす姿勢にはまったく頭が下がる。10年後の6月15日も、ジャンボさんはやはり普通に店を開けていることだろう。長く店を続けるとは、こういうことなのだと思う。コレクター阿部さん、福島より来たる。夜、阿部さんを慕う有志が楽屋に集まり、カウンターで楽しく飲み語らった。ますます元気な阿部さんは、近々新しい職場で働き始めるという。ジャズ喫茶開店に向けて、がんばっていただきたい。今回も楽屋にレコードとCDの差し入れあり。さすがの阿部さんらしく、やはりどれも楽屋にはない盤ばかりで感激する。アンソニー・ブラクストンのアルトサックスが気持ちいい。阿部薫とはまたちがった音色の迫力あるどフリー。道中、米沢で猟盤されたとのことで、収穫盤を見せていただいたが、今回もまた上質な中古盤を得ていてうらやましくなる。レコード屋への定期訪問をかかさない阿部さんには、どうもレコードの神様がついているようで、だいたい毎回いい盤が阿部さんの目の前に現れる。今回の収穫には寺島靖国氏プロデュースのレコードが何枚かあり、大橋祐子の「ブエノスアイレス」というのを聴かせてもらう。音がとてつもなくいい。オーディオマニアでもある寺島氏らしい音作りだと思う。ジャズ喫茶メグの店主ではあきたらず、文筆家、音楽プロデューサーとしても活躍する寺島氏だが、その文体がどうも鼻についてしまい、わたしはあまり好きではない。しかし、あまりにいい音なので、レコードは買ってしまうかもしれない。阿部さん、いつもありがとうございます。

楽屋 GAKUYA

お酒とコーヒーと音楽の店【楽屋】です。 ホームページの引越しをしました。 新しいアドレスは以下の通りです。 よろしくお願いいたします。 https://ekimae-gakuya.jimdofree.com