四十而惑
6/11(火)。シネウィンドにて、「二郎は鮨の夢を見る」を観る。85歳で現役の寿司職人、小野二郎の仕事を追ったドキュメンタリー。銀座の地下通路にある「すきやばし次郎」の初代店主として、その筋では世界的に有名という小野二郎氏。「すきやばし次郎」は、10席ほどのカウンター席しかない小さな店で、仕事のなされた江戸前寿司約20貫が次々に供されて、客はそれを黙々と食べる。入店から退店までの所要時間、約20分。30000円のこのコースしかないスタイルは賛否両論もあろうが、超がつくほどの有名店であり、かなり先まで予約がとれないらしい。たしかに映像を見れば、ほれぼれするほどの美しい寿司につばもわくが、あまり行きたいとは思わない。小野二郎氏はじめ、あとを継ぐ長男や従業員たちの仕事に対する姿勢は勉強になったが、それほど絶賛すべきドキュメンタリーとは感じられなかった。「自分の仕事に惚れ込まなくてはダメだ」という二郎氏のことばは、身にしみる。とは言え、このような映画を観ればやはり寿司はどうしても食いたくなるもの。アンニャの同意をすぐ取り付け、シネウィンドのスタッフお薦めの古町「港すし」。店構えはかなり高級そうなのに、ばか高いわけでもなく、うまい寿司にありつけて満足。バー「プルミエタージュ」でミントのたっぷり入ったモヒートをひとつ飲んで、この日は打ち止め。
6/13(木)。静かな夜に、モキチさんご来店。久しぶりにあれこれと語らう。今年43歳になるわたしは、40歳を越えてから、なぜだかどうも自分の生き方が気に入らなく、しかも体をこわしたり、精神的にも下向きなことが多い。孔子の言う「四十にして惑わず」など、まったくの無理難題だ。40を過ぎてから、より以上に惑いまくっている。そのことを先輩モキチさんにふとたずねてみると、やはりモキチさんも40を過ぎてからいろいろな変化があって、大変だったらしい。そしていわく、「だすけ歯車ちっちょしたんせ」。いつまでも今までと同じようにやっていては追いつかないので、歯車を小さくする。なるほど。妙に腑に落ちて、気持ちが楽になった。わたしもおそらくギアチェンジの時期なのだろう。これからどうギアを変えようか、少し楽しみになる。モキチさん、ありがとうございました。
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