村八分

4/15(金)。金日成の誕生日。1992年4月15日、北京に着いてまもないわたしは、知り合ったばかりの北朝鮮の留学生たちに招かれ、金日成の誕生パーティーに参加した。一国の領袖の誕生パーティーとは言え、留学生楼の卓球室でみんなでわいわい焼き肉をつつきながら飲むという、とてもざっくばらんで楽しい宴会だった。バケツか何かに塩を入れてその塩を燃やし、その上に網をのせて焼く肉は非常にうまかった記憶がある。北朝鮮の留学生はみな部屋に金親子の肖像画をかざり、胸にはバッジをつけていたが、うちらとまったく変わらない若者ばかりで、仲のいい友人もできた。北朝鮮で留学できるのは、ほとんどが国の幹部などの子供たちで選り抜きのエリートだが、外の世界にふれて、だんだん自国のおかしさに気づく人もあるようだった。外の世界を知った彼らが国を変えて行ってほしいとずっと思っているが、まだまだ変わりそうにないのが悲しい。今では北朝鮮の誰とも連絡はなくなってしまったが、国に帰ってやはり幹部になっているのだろうか。金正日の誕生日は知らないが、4月15日になると不思議といつも北朝鮮のことを思う。岡田くんから村八分の本とCDが届く。70年代の伝説的なロックバンド、村八分のギタリスト山口冨士夫が書いた自伝的な本で、岡田くんにメールでその存在を教わって、ずっと読んでみたいと思っていたのだった。同封してくれた「草臥れて(くたびれて)」というCDをさっそく聴いてみた。村八分も、気にはなっていたけど聴いたことがなかったバンドのひとつだが、聴いてみると、これがまたシンプルでなかなかかっこよい。サイケ色も強く、酔ったときに聴くと良さが倍増するかもしれない。これから掘り下げていく過程がとても楽しみ。岡田くん、いつもありがとうございます。

楽屋 GAKUYA

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