新潟ジャズストリート
1/19(土)。
昼、新潟に出る。12時から新潟ジャズストリートの会場を回り、都合6組の演奏を楽しんだ。2003年から始まったジャズストリートも、早いもので今回で33回目を数える。ほとんどどこの会場も大入りで、ハシゴの仕方がなかなかむずかしい。会場に着くのが遅れたのとすでに満席だったため、ふた会場で予定を変更したが、聴いた6つの会場では席にすわって快適に聴くことができた。
①Out To Lunch! (一番堀・音楽文化会館練習室12)
ソプラノ・サックスとフルートを吹くデイビット・テイシェイラさんとドラマーの櫻井國栄さんのデュオ。エリック・ドルフィーのアルバム名から取ったと思われるユニット名なので、ドルフィーの曲などをやるのかと思ったら、何とジョン・コルトレーンの「インターステラー・スペース」の再現をするという。渋谷のジャズ喫茶「きゅりお」で聴いて気に入った、コルトレーンとラシッド・アリ(ds)のデュオ作品である。アルバムの通り、「Mars(火星)」「Venus(金星)」「Jupiter(木星)」「Saturn(土星)」と演奏。極端なフリーではなく、ソプラノとドラム、フルートとドラムの掛け合いがとてもよかった。ただ、どれほど再現されていたのかはわからない。楽屋で改めて聴いてみることにする。
②Cross Talk(本町・Café Eigetudou)
楽屋でも演奏していただいている、ちはるさんのピアノと水橋さんのアルトサックスのデュオ。このおふたりの演奏は、いつ聴いてもとてもいい。今回は初めてオリジナルを4曲も聴くことができた。ちはるさんのオリジナルが「ほたる」と「Morning Mist」、水橋さんのオリジナルが「Go Back」と「Overture」のそれぞれ2曲。とくに「Go Back」がかっこいい。クロストークを聴く楽しみのひとつであるスタンダードでは、「ワルツ・フォー・デビー」が素晴らしかった。ピアノとサックスのデュオでの演奏なんて、初めて聴いた。最近本町に移転したCafe Eigetudouも興味深い店だった。普段はポルトガル料理が食べられる小さなレストラン。グラスに瓶を逆さまにつっこんで、ぐるぐる回しながら注ぐというマスターの演出が楽しい、Coralというポルトガルのビールがうまかった。そのうち料理を食べに行ってみたい。
③早川善栄トリオ(上大川前通・ブルーカフェ)
ギター、ベース、ドラムスという編成のこのトリオも、ジャズストリートでは毎回聴きたくなる。今回はギター早川さんのオリジナルよりもスタンダードの方が多めだった。「Blue Bossa」と「You And The Night And The Music(あなたと夜と音楽と)」がよかった。 スタンダードになるのかわからないが、コルトレーンの「Impressions」が飛び出したのには驚いた。開場のブルーカフェも、とても居心地のいい喫茶店。ハートランドの小瓶をひとつ飲む。
④じゃんごっこ(川端町・Bar Edinburgh(ホテルオークラ))
ジプシージャズトリオ、SEBの水落さんと圓山さんのおふたりと、ベースの岡田さん、バイオリンの佐藤さんという4人編成のバンドである「じゃんごっこ」を初めて聴く。いつもは SEBのギター3つの演奏を聴いていたので、ベースとバイオリンが入る演奏が新鮮でとてもよかった。岡田さんのベースがぶんぶんとうなっていた。アンコールで演奏した「Minor Swing」が、やはりザ・ベスト・オブ・ジプシージャズ。以前満席で入れなかったバーエジンバラにも初めて入れてうれしかった。実にすわり心地のいい椅子で、ゆったり聴くことができた。
途中、東堀の焼鳥「みやこや」で一緒に回っていた友人たちとミニ宴会。チロリで供される燗酒を飲みながら、串焼きや生野菜など。いつの間にか改装されていて、東堀みやこやはとてもきれいになっていた。
⑤長沢好宏クインテットwith Noriko(東堀・Gioia Mia)
久しぶりに長沢さんのテナーを聴く。さすがは新潟ジャズ界の重鎮だけあって、安定感抜群の音色。ドラムスの本間克範さん、ギターのファビオボッタッツォさんの演奏を聴けたのもうれしかった。昨年の高田蓮ライブ以来に入るジョイアミーアだったが、この日も大入り超満員だった。ミックスナッツをつまみながら、ハイボールをふたつ飲む。
⑥村上ボッサクラブ(本町・Café Eigetudou)
Eigetudouにもどり、わたしの中でのメインイベント、村上ボッサクラブの演奏を聴く。佐久間純平(ギター)、東弘一(ベース)、佐藤和人(ドラムス)というお三方による村上のトリオ。新潟ジャズストリートでもすっかり常連となり、まったく落ち着いた演奏を聴かせてくれた。ついアンコールで「カーニバルの朝」をリクエストしてしまう。この演奏がまた実によかった。さくちゃん、東さん、茶さん、夜遅くの出演たいへんお疲れさまでした。
古町の「慶龍飯店」にて、餃子と焼きそばをいただき、カウンターのご常連と盛り上がる。注文を受けてから包んで焼く餃子がうまい。初めて食べた焼きそばも素晴らしかった。仲のいいご夫婦で長年切り盛りされていて、実に気持ちのいい店。古町の夜のしめは、慶龍飯店がいい。
1/20(日)。
全日本卓球選手権で、男子シングルスが水谷隼、女子シングルスは伊藤美誠がそれぞれ優勝を飾る。水谷に至っては実に10度目の優勝。伊藤美誠はダブルス、混合ダブルスも優勝しており、何と2年連続の3冠王となる。男子の優勝候補筆頭だった世界ランク3位の張本智和は、準決勝で大島祐哉にフルセットの末敗れ、3位に終わる。女子シングルス決勝で伊藤と対戦した木原美悠の卓球もすごかった。まだ14歳の中学生。また楽しみな選手が現れた。
1/22(火)。
夜、中条「ぼだいじゅ」の日本酒会に参加する。ぼだいじゅのご店主には楽屋に寄っていただいているが、わたしがぼだいじゅに行くのは初めてのこと。栃木のお酒を飲みながら、現在那須高原の今牧場でチーズ職人として活躍しているユウコウくんのチーズや、ぼだいじゅの美味しい料理をいただく。ユウコウくんがドイツへチーズ留学するため、アンニャの話を聞きに楽屋に来たのがもう16,7年も前のことになる。久しぶりに会うユウコウくんは、相変わらずの好青年だった。日本航空ファーストクラスの機内食に何度も採用されているという今牧場のチーズは、本当にうまい。うれしい再会につい飲みすぎてしまい、酔う。
1/23(水)。
昼、万代シネウィンドにて、アルゼンチン映画「家(うち)に帰ろう」を観る。ひとりの老人が戦時中の友人にスーツを手渡しに行くため、アルゼンチンからポーランドへ渡るロードムービー。ナチスの迫害を受けたユダヤ人である主人公のトラウマが強烈に表現されている。行く先々で出会う女性たちが実に素敵だった。久しぶりに少し泣く。
静かな夜。セイさんが2枚のCDを持ってきてくれる。Pavementペイブメントと言うアメリカのロックバンドの「Brighten The Corners」と、カナダのシンガーソングライターであるAllan Raymanの「Roadhouse 01」。どちらもわたしはまったく知らなかった。ペイブメントは、少しニルバーナを感じるシンプルなロック。とてもいい。アラン・レイマンは独特のボーカルで、音数が少なく落ち着いたヒップホップという感じ。こちらもまたいい。セイさん、いつもご紹介ありがとうございます。
1/25(金)。
静かな金曜の夜。雪が降っているから、と自分を納得させる。閉店後、自宅で少し飲む。友人が送ってくれた福岡の酒、「白糸(しらいと)」。新潟の酒とはまったくタイプのちがう、すっきりと飲みやすい酒。福岡が酒どころだということを改めて思い知らされる。
1/26(土)。
静かな土曜の夜。雪が降っているから、と自分を納得させる。雪のしんしんと降る中、モキチさんがひとりで寄ってくれて、しばし音楽談義。フリクションや3/3、山口富士夫さんの話など、興味深い話をあれこれ聴く。夜中、楽屋の窓から写真を撮って、そそくさと帰宅。
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