伴田裕カルテット

1/4(土)。2020年になって楽屋初開店。今年の楽屋も、伴田裕さん、尾崎利彦さん、文河潤さん、本間克範さんの四重奏によるジャズで幕を開ける。ありがたいことに今年も大入りとなり、熱気に包まれた一夜となった。奏者の皆さん、ご来場の皆さんに感謝。

毎年の恒例だった「一月一日」ではなく、今年のはじまりはコルトレーンの「Moment's Notice」から。コルトレーン好きにはたまらない、裕さんの冷やかなテナーの音色が心地いい。楽屋の新春ライブがこのカルテットでほぼ固定となってから、たしか4,5年になるが、すでに気心の知れた(と思う)メンバーによるジャズはまさに安定感抜群で、ただただ純粋かつ存分にジャズを楽しむことができる。そして今年もはじまったーという気持ちになり、それはサラリーマン時代の仕事始めに行きたくない気持ちとはまったく異なる、とても健全なポジティブ・エネルギーを得ることのできる、実にありがたいライブだ。楽屋の新年の幕開けはこれからもずっとこのカルテットにお願いしたいと、つくづく思う。

裕さんのオリジナルからスタンダードまで、毎年ちがう絶妙な選曲で、カウンター内のわたしも大いに楽しませてもらう。とくに、ウェス・モンゴメリーの「S.O.S」がすごかった。尾崎さんのピアノによるアドリブが炸裂。この4人による「Spain」が聴けるとは思わなかった。おそらく楽屋では初お披露目と思われる。満を持したかのように、ラスト曲のスペインで本間さんのドラムが炸裂した。相も変わらず切れのいいドラムに聴き惚れる。アンコールにイーグルスの「Desperado」が演奏されるも、拍手がやまず、アンコール2曲目に突入。デューク・エリントンの「Caravan」で、激しいアドリブ合戦がくりひろげられる。文河さんのランニング・ベースがすごい。数ヶ月ぶりに聴いた文河さんだったが、さらにパワーアップしたようだった。


1/5(日)。2020年の通常営業初日。誰も来る気配を感じずにひとりで大きな音を聴いていると、数名の常連さんが時間差でご来店。いつもながらの四方山話をカウンター越しに聞くのが楽しい。これまた何とも楽屋的な通常営業幕開けとなる。帰省するたびに寄ってくれる若者お三方もうれしかった。「お茶パス、大」という注文の響きが新鮮だった。楽屋の人気者、お茶漬けパスタはかつて、「お茶目なマスター」という秀逸な替え名をいただいたことがあったが、略称はこれまでなかったはず。お茶漬けパスタがお客さん独自の感性によって育てられている感じがして、ひとり厨房でほくそ笑む。

楽屋 GAKUYA

お酒とコーヒーと音楽の店【楽屋】です。 ホームページの引越しをしました。 新しいアドレスは以下の通りです。 よろしくお願いいたします。 https://ekimae-gakuya.jimdofree.com