遠藤ミチロウ楽屋ライブ
10/7(木)。おじちゃんとお別れしたあと、楽屋で着替えて気持ちを何とか切り替えて、遠藤ミチロウさんを出むかえるため、村上駅に行った。予定の電車が到着したときの心拍数はどのくらいだったろうか。心臓をさわったらドドドドドドドドと音が聞こえた気がした。全乗客のうしろの方に、ギターを2本かついだ男性が見えた。なぜかすぐさま目をそらした。本当に来た。改札口を通る同乗のお客に、「あなたたちは誰と同じ列車に乗っていたのか、わかっているのですか?」と心の中で問うていた。改札口前までたどり着いたその男性は、切符をポッケから取り出すのにやや手間取ったものの、ギターと一緒に改札を通った。「お疲れさまでした。楽屋の青山です」と平静をよそおって声をかけると、にっこり笑ったその人こそ、やはり遠藤ミチロウさんだった(見まちがうわけがない)。すぐ楽屋入りし、一服しながら少々歓談。村上はまったく初めてというミチロウさん、しかしながら瀬波温泉や鮭のことなど、いろいろお詳しい。ミチロウさんはギターを取り出し、弦をはりかえ始める。山形で過ごした学生時代の話などを聞きながら、わたしはこのもの腰やわらかな紳士とザ・スターリンのイメージのギャップに、何とも不思議な感じがした。音響のことに非常にうといわたしはアンプを用意しておくことしかできず、ミチロウさんみずから楽屋のチープアンプを操作していただき、申し訳ない気持ちになった。それでもミチロウさんは、丁寧に音を作り、歌い始めた。もちろん観客(?)わたしひとり。この上ないぜいたくな時間をしばし過ごす。すっとリハーサルをすまし、「じゃ開演前にまた来ます。よろしくお願いします」とすっと宿に向かわれたミチロウさん。体だけでなく、行動も実にスマートだ。リハーサル時間が短いと、わたしも開場までゆっくり夕食がとれるのでとてもありがたい。ミチロウさんに感謝しながらゆっくりスパゲッティを食べた。開場の19時半すこし前よりお客さんがぞくぞくご来店。この日は大入り。30席強用意した座席が次々にうまっていった。ミチロウさんの演奏前に、おもに新潟で活躍するSATシュンくんが前座をつとめてくれる。遠藤ミチロウモデルのギターを愛用し、シュールな詩と迫力ある演奏で人気のSATシュンくん。約30分、熱く弾き語ってくれた。平成トリヲのカバーにはびっくり。さらに幅を広げつづける今後も楽しみなミュージシャンである。SATシュンくんの演奏中、ミチロウさんが戻ってきた。きれいにかっこよくメイクがほどこされている。遠藤道郎ではなく、まさに遠藤ミチロウ。宿から楽屋まで歩いて来る間に出会った人の反応が気になるところだが、何はともあれ、「遠藤ミチロウ」が楽屋入りしたことに、わたしはカウンターの中で感激した。SATシュンくんの演奏後、ほどなくしてミチロウさん登場。「こんばんは、遠藤ミチロウです」われんばかりの拍手と歓声が起こり、ミチロウさんは歌い始めた。1曲目は「Just Like A Boy」。・・・・・・かっこいい。スターリン色を少しだけ残しながら「遠藤ミチロウ」というアーチストが確立されている。スターリン時代はともかくとして、ソロになってからも含めてミチロウさんを生で聴くのははずかしながら初めてだった。正直に言って、こんなにかっこいいとは思わなかった。その選曲にも感激と驚きの連続だった。わたしが学生時代「食物連鎖」でコピーしていた「玉ネギ畑」「先天性労働者」「仰げば尊し」など、わが青春そのものであるあこがれの名曲が楽屋で聴けるなんて、まったく思ってもみなかった。そしてアンコールでとんでもなく意外な曲がとびだした。友部正人の「一本道」。感動。さらに、アンコールで3曲も披露してくれたにもかかわらずその後もなりやまない拍手に、2度目のアンコールへ突入。曲は何とスターリンの代表曲「ロマンチスト」。場内騒然。狂喜乱舞。そして最終曲がこれまた意外であった名曲「Mr.Bojangles」。とてもしぶい曲でしっとりとライブをしめくくったミチロウさんに、最大級の拍手と「ありがとー!!!」という歓声がとびかった。終演11時半。さぞかしお疲れで空腹であろうと思ったが、ミチロウさんは食事そっちのけで多くのお客さんにサインをし、歓談していた。心やさしき激烈アーチスト、遠藤ミチロウ。また次回の来演が今から非常に楽しみ。ミチロウさん、ありがとうございました。そして本当にお疲れさまでした。またぜひ村上にいらしてください。そしてまた川をながめに行きましょう。
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